2026.10.21|物流改善

在庫管理を進めるための4つのポイント

保管する製品が「どこに」「どれだけ」あるのか、誰もがわかる倉庫でなければ、効率の良い作業はできません。 また、お客様が必要とする在庫を確実に管理することが物流倉庫に求められます。 これらの在庫管理のレベルの差が「物流品質」の違いとして表れます。 今回は在庫管理の基本的な考え方を4つのポイントに分けてご紹介します。

目次

ポイント1.所番地(ロケーション)の考え方

「物流倉庫内の商品を、誰もが早く簡単に入出庫できる」

これを標準化させるのが所番地(ロケーション)です。新人作業者や応援者の作業効率が悪い物流倉庫は、作業者自身が不慣れなだけではなく、所番地がないなど、作業性を考慮した所番地を設定していないことが原因となっている場合があります。

所番地(ロケーション)の設定のポイント

1)ゾーン

▸ゾーン設定は建屋単位や区画で設定
▸アルファベット(A、B等)はゾーン設定のみに活用

2)列

▸通路単位で所番地を設定する場合と、棚列単位で所番地を設定する場合がある(下記例は棚列単位)
▸作業者が台車を使って出庫する場合は、通路単位での所番地の設定が良い

3)連

▸戻り歩行等が発生しないよう、効率的な出庫ができるように採番を工夫する
▸通路の設定と同様、出庫方式によって採番の方法も異なる

4)段・間口

▸保管方法によって、段を先に設定する場合と、間口を先に設定する場合がある

■所番地の体系(例)

ポイント2.棚番地の設定の仕方

所番地(ロケーション)の考え方に基づき、実際の棚番地の設定の仕方を説明します。実際の物流倉庫で、この棚番地の設定が悪く、作業効率を大幅に低下させているケースがあります。入出庫の形態にあわせ、最適な棚番地の設定が必要です。

通路幅の狭い所での棚番地の設定(歩行者による入出庫作業)

下図左のように、棚番地の設定が悪いと、同じ通路を往復したりと、歩行距離が長く、効率が下がってしまいます。
通路幅が狭く歩行者による入出庫作業が中心の現場では、歩行動線を最短にした棚番の設定方法である「千鳥方式」が最適です。

通路幅の広い所での棚番地の設定(フォークリフトによる入出庫作業等)

下図左は、単純で一見分かりやすく思えますが、戻り(空)走行が発生するため走行動線が最も長く、効率を大幅に低下させてしまいます。
フォークリフトでの入出庫など、広い通路幅での作業には、戻り(空)走行をなくす「往復順列方式」が有効です。

ポイント3.責任在庫制と在庫数量の決め方

企業が取り扱い商品の全てを在庫していると、莫大なスペース・コストが必要となります。そのため、お待ちいただける商品(非在庫品)と即納が必要な商品(在庫品)を分類します。

責任在庫制の考え方

メーカー、物流センターや販売店営業所ではそれぞれ管理区分が異なり、お客様や市場に近い販売店営業所は、その中でも特に即納を要求される商品を管理する必要があります。これらの考え方を責任在庫制と言い、それぞれが責任をもって管理すべきものを明確にして在庫管理を行います。

在庫数量の決め方

在庫数量は、生産・調達リードタイム(発注してから倉庫に棚入れされるまでの期間)の間、お客様からの需要に対応できる分だけの数量で設定しましょう。

ポイント4.発注指示方式の考え方

発注担当者は、売場・物流センター・生産者と連携し、基準在庫数を最適化することが役割です。発注者が行う在庫補充や生産指示には、大きく2通りの方式があります。
需要予測に基づき、前月末に発注量・生産量を決める「定期計画方式」と、需要に基づき発注指示をする「随時方式」です。

定期計画方式

「定期計画方式」は安定して計画的に作業ができる仕組みと考えられています。しかし、定期計画方式は需要予測に基づき発注量を決めるため、100%の精度を求めることが難しく、予測ミスにより在庫量が大きく変動してしまうことがあります。

■定期計画方式(イメージ)

随時方式

対して「随時方式」は、発注点方式とかんばん方式があり、実際の需要に基づいて発注や生産を指示します。これにより、常に設定した基準在庫を維持し、生産活動を安定させることにつながります。

なお、この随時方式を維持するためには、<きめ細かい発注頻度(例:日、週単位)><短納期><小ロット>の条件が整っていることが必要となるため、随時方式を導入・維持するには、生産部門との連携が非常に重要です。

■随時方式:発注点方式による基準在庫の維持(イメージ)

改善例

需要予測に基づいて発注量を決める「定期計画方式」から、発注点やかんばんを用いて基準在庫を管理する「随時方式」に変更することで、過剰在庫や在庫不足の発生防止につながります。

■改善前

■改善後

まとめ

このように、在庫管理のレベルの差が「物流品質」に直結します。

在庫管理は、

●誰もが早く簡単に入出庫できるよう、まずは作業の標準化を行うこと
●入出庫の形態にあわせた最適な所番地の設定をし、作業効率を上げること
●責任在庫制を取り入れ、各部門が管理すべきものを明確にして在庫管理をすること
●発注指示方式を改善し、常に設定した基準在庫数を維持すること

が大変重要です。

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