2026.09.04|物流改善
保管改善を進めるための4つのポイント

保管改善は、保管スペースを有効活用し、物流現場全体の生産性を向上させるための重要な取り組みです。 適切な保管方法やレイアウトを採用することで、製品の品質を維持するだけでなく、入出庫作業の効率化や安全性の確保にもつながります。 本コラムでは、保管改善を進めるための4つのポイントをご紹介します。
目次
ポイント1.問題点の把握
物流現場では、以下のような状況から「これ以上保管スペースを確保するのは難しい」と考えられることがあります。
・通路が必要最小限となっており、これ以上スペースを確保できない
・保管棚に空きがなく、新たな保管スペースを確保する余裕がない
固定棚を中心とした一般的な倉庫の使用状況は、以下グラフのような割合になっています。
改めて現場を確認し、保管スペースを創出できる余地がないか確認しましょう。

現場における保管のチェックポイント
1)通路幅は適切か?
▸入出庫に通路幅の必要なカウンター車を使用している
⇒ 通路幅を最小限にできる荷役機器(例:リーチ車)の導入を検討する
▸低頻度出荷品を同じ通路幅のエリアに保管している
⇒ 移動棚などを活用し、通路スペースの削減を検討する
2)空間に空きスペースはないか?
▸梁下と棚の間が大きな空間になっている
▸棚の保管エリアに空間がある
⇒ 空間を有効活用できる棚や機器の導入を検討する
3)空きスペースには他の商品を保管できるようになっているか?
▸長尺品が横置き保管になっている
⇒ 縦置き保管を検討する
▸棚内の仕切りが固定式になっている
⇒ 保管量にあわせて間口を変更できるようにする
4)過剰在庫と基準在庫が同じエリアで一括管理されていないか?
▸過剰在庫や不要品が保管スペースを占有している
⇒ 2S(整理・整頓)の徹底をする
▸先行納入品や大ロット調達品が同じ場所に保管されている
⇒ ピック在庫とリザーブ在庫の区分けを行う
ポイント2.保管機器の選定
物流倉庫では、保管量を増やすだけではなく、できるだけ効率良く商品を入出庫することが求められます。最適な保管機器を選定するために、以下の手順で進めると効果的です。
Step1:商品の流動分析
保管効率と入出庫作業の効率を両立させるためには、まず取扱い商品の「流動(=ABC)分析※」を行い、頻度別に商品点数、出庫頻度、在庫量等を把握します。
※流動(ABC)分析とは?
売上高コスト・在庫などの指標を大きい順にランク付けし、優先度を決める方法。流動分析によって、商品点数や出庫頻度、在庫量などを出荷頻度別に把握することが可能です。また、商品の優先順位を可視化することで、現状把握だけではなく課題の発見・改善につながりやすくなります
■流動(ABC)分析パレート図(イメージ)

Step2:保管機器の検討
A・B・Cランクの分類ができたら、保管方法の検討を行います。
商品の荷姿別、A・B・C ランク別のそれぞれに適した保管機器を検討します。
■保管機器の選定(イメージ)

Step3:倉庫内レイアウトの検討
例えば、以下のように倉庫内レイアウトを変更することで、作業動線が短くなり作業効率が向上するため、人件費の削減や作業者の負担軽減につながります。
・Aランク商品(高頻度品):入出荷口の近くに保管
・Bランク商品(中頻度品):中間エリアに保管
・Cランク商品(低頻度品):奥側に保管
■倉庫内レイアウト(例)

Step4:保管・入出庫方法の検討
冒頭でご説明した通り、一般的な物流倉庫では倉庫内の半分以上を通路が占めています。
最適な保管方法と入出庫方法の組み合わせで、棚(保管)比率を向上することができます。
【例1】 荷役機器の見直し
重量棚にフォークリフトを組み合わせた場合、最も通路幅の狭いリーチ車を使えば、カウンター4輪車と比較して、棚(保管)比率は7%向上します

【例2】 保管機器の見直し
さらに、保管機器を移動棚に変更すると、棚(保管)比率が70%になります。

ポイント3.保管形態・出荷頻度に応じた保管(パレット)
物流倉庫内のレイアウトや保管機器が決定したら、商品毎に最適な保管方法を検討します。この商品毎の保管方法の良し悪しが、物流倉庫の効率的な運営に大きな影響を与えます。効率の良い倉庫運営を実現するために、以下の通り改善を進めましょう。
Step1:保管品の区分
1)商品毎の保管形態(パレット、ケース、ピース、長尺品等)で層別する
2)層別した保管形態毎に、出荷頻度に応じて区分する
3)重量・サイズで層別する
Step2:保管間口の選択
1)Step1で層別した同じ保管形態や出荷頻度の商品を集約する
2)保管形態に合った棚間口を設定する
3)必要に応じて棚のビームを追加する
■改善前
商品の保管形態や出荷頻度を考慮していない倉庫は多くのムダが発生します。

■改善後
商品のサイズや荷姿にあわせて保管間口を設定することで、保管スペースの削減や作業性の向上につながります。

ポイント4.保管形態・出荷頻度に応じた保管(小物品)
物流倉庫内で最も保管点数が多い小物品の保管改善をご紹介します。小物品の入出庫は物流倉庫で最も工数のかかる作業のため、保管改善の良し悪しが、物流全体の効率向上に大きな影響を与えます。以下のような手順で改善を進めましょう。
Step1:保管荷姿の決定
1)小物品の保管形態(小箱、裸品、異形品等)で層別する
2)層別した保管形態毎に集約する
3)裸品や異形品に最適な保管箱を選択する
Step2:保管間口の最適化
1)Step1で選択した保管箱を集約する
2)保管箱の高さにあわせて棚の高さを決め、棚の上部空間が発生しないようにする
Step3:保管ルールの見直し
1)出荷頻度の高い商品は、棚の中段部に保管する
2)間仕切りは、チェーン等で変更できるようにする
3)保管箱を工夫し、先入れ先出しを行う
■改善前
小物品の保管形態を考慮せずそのまま保管すると、棚の保管効率が大幅に低下します。

■改善後
保管箱を活用することで、小物品の保管効率が向上します。

まとめ
保管改善は、単に保管量を増やすための取り組みではありません。現場の課題を把握し、保管品の出荷頻度や荷姿に応じて保管機器やレイアウト、保管方法を見直すことで、スペース効率や作業効率、物流品質、安全性の向上につながります。まずは現状の保管状況を確認し、改善できる余地がないか見直してみましょう。
トヨタL&Fでは、お客様の物流現場に合わせた保管改善のご提案を行っています。保管のお悩みがありましたら、是非お気軽にご相談ください。
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