資材供給の完全自動化が最重要課題

1959年創業のゴールドパック様は、自然環境に恵まれた長野、青森、北海道に生産拠点を構え、近郊の新鮮な農作物を加工した飲料を自社ブランド製品として展開しています。また、より良い製品づくりのために独自の生産ラインを構築し、お客様のニーズに合わせた飲料の受託製造にも対応しています。
北海道の恵庭工場では、清涼飲料の生産用に最新鋭のペットボトル無菌充填システムを取り入れた新アセプラインを導入し、2020年2月から運用を開始しました。従来のラインでは、ペットボトル原料・キャップ・段ボールなどの資材を、平置きされた倉庫からフォークリフトでユースポイントに運び、生産ラインに供給していました。また、供給後の空パレットを資材倉庫に戻す作業もあり、昨今の人手不足のなかで、新ラインでは資材供給の自動化が最重要課題となっていました。
当初、パレットコンベヤで資材を供給する計画を立てましたが、生産時の人の動線や、各種機器の点検・更新時に部品などを移動するための動線を確保できない課題に直面。この難題の解決策としてトヨタL&Fから提案された自動運転フォークリフト(AGF)なら、機器設置スペースを拡大できない制約がある中でも資材供給を自動化できることから導入を決断しました。

AGFと自動倉庫を導入し、省人化を実現

AGFとあわせてユニット式パレット用自動倉庫、在庫管理システム(IS-200)を導入。それらを接続し生産管理システムと連携させ自動倉庫に設置したバーコードリーダーで、使用した資材を読み取ることによりトレーサビリティも確保しています。
導入効果として、資材を自動倉庫に入庫すれば、その後は一切人手を介さずにユースポイントに指定の資材供給が可能となり、1名の省人化を実現。加えて、「以前はフォークリフトオペレータの操作ミスによる資材破損などがつきもので、特に新ラインでは高さ4mの架台上からパレットを受け取る必要があり、有人リフトでは資材破損が頻発することが想定されました。しかし、AGFの正確で安全性の高い作業のおかげでトラブルはゼロです」と製造課の清水課長は話します。さらに自動倉庫には3日分の資材をストックできるため、オペレータは手が空いている時に入庫作業を行えるようになり、作業の標準化にもつながりました。
恵庭工場では今後、最終製品の保管・出荷作業にもAGFを活用することで大きな効果が得られると期待を寄せられています。そして最後に清水課長は「製造・物流業界における人手不足が深刻化する中、トヨタL&Fさんは省人化を進めるうえでの良きパートナーになっていただけると思っています」と語られました。

既存建屋の限られたスペースでAGFを有効活用し資材供給の完全自動化を実現