導入効果
- 自動倉庫により省スペースで効率的な保管を実現
- 力仕事を省略化し、その分、品質作業の追求が可能に
課題
江戸時代末期に開店した奈良漬けの元祖、株式会社今西本店様。酒粕に6回以上漬け替えるという昔ながらの製法をかたくなに守り続けています。漬け込み期間は瓜で3年、すいかで9年、じっくり熟成させるのが特徴です。以前は、漬け込み作業を行う前後に、床に積み上げた樽から必要な樽を取り出しては戻すという工程が1日の半分を占めていました。1樽の重さは60~90kgと重く、腰を痛めるほど大変な重労働だったとか。樽の出し入れだけで男性5人を必要とするため人件費もかかります。奈良漬けの味とはまったく関係のない「力仕事」を何とか楽にしたい。そう考えていた5代目当主の今西様に、トヨタL&Fは自動倉庫システムという改善策を提案しました。
改善1:スイッチひとつで必要な樽
トヨタL&Fが提案したのは自動倉庫『ラックソーター』を取り入れたシステム。コンピュータが漬け込み回数に合わせた樽管理を行うため、目的の樽を簡単に取り出せます。「スイッチひとつで、倉庫から樽がするすると自動で運び出されてくる。大変、便利で助かっています」。以前は男性4~5人がかりで行っていた樽の出し入れ作業を、今では今西様おひとりで担当。またコンピュータでの在庫管理により、樽の格納位置の複雑な管理も簡単になり「在庫管理も非常に楽になりました」と今西様は笑顔を浮かべます。
改善2:倉庫の立体活用で保管量がアップ
平置き段積み状態だった倉庫を、自動倉庫に改善することによって、天井までの空間を有効活用できるようになったのも大きな変化です。以前の約半分の床面積で、保管容量は1.5倍に増大し、省スペースで効率のよい保管が実現しました。空間にゆとりが生まれた分、漬け込み作業をするためのスペースにもゆとりが生まれ、フォークリフトでパレットを積んだり、樽を運び出す作業もスムーズに行えます。「作業の効率がよくなって、みんなのやる気も高まりました」。
改善3:奈良漬けの味のさらなる追求
奈良漬けは「夏の暑さ、冬の寒さ」という温度変化があってこそ味に幅が出ると今西様。2階建て以上の高さに相当する自動倉庫内では、最下段と最上段で、温度が数℃異なります。そこで各樽の保管場所は固定せず、漬け替えのたび、別の段へ移動させる工夫がされています。こうしたコンピュータ管理によって、樽は自動倉庫の中でも「暑さ、寒さ」を経験し、より味に深みを出すことができます。また、樽の出し入れが楽になったことで、以前は5回しか漬け替えなかった商品も、今ではほとんど6回以上漬けることができるようになりました。「力仕事など味に関係のない作業は徹底的に省力化し、その分、漬け込み作業に力を注ぐ。これこそ今西本店が生き残る唯一の道だったと思います」。
本事例における導入商品
CASE STUDY
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